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産後のママに多い腱鞘炎

2022.10.11

産後ママに多い腱鞘炎

〇どんな症状か

腱鞘炎とは、指の「腱鞘」が何らかの原因で
厚くなったり硬くなったりすることによって、
腱鞘を通過する腱と「腱鞘」がこすれてしまい、
そこで炎症が起こって「痛み」や「腫れ」が現れる症状です。

腱鞘炎は放っておいて症状が進行すると
「ばね指」と呼ばれる症状が出てきます。

いつか治ると放置したり、原因となる動作を続けて
病気が進行すると、治療をしても関節が固まって
伸びなくなってしまい、治るまでに時間がかかったり
完治しきれない事があります。
悪化する前に、受診することが大切です。

〇腱鞘とは

手はたくさんの骨からできています。

このたくさんの手の骨を動かすことができるのは、
筋肉と骨を結びつける「腱」があるからです。

「腱」は手指の骨と筋肉をつないでいて、
この腱が動くことで、手指を曲げたり
伸ばしたりすることができます。

この「腱」は、骨から離れないように
ところどころバンドのような組織「腱鞘」
で押さえられていて、指を曲げ伸ばしするときには
「腱」が「腱鞘」の仲を滑るようにして移動します。

何らかの原因で「腱」と「腱鞘」がこすれ合う状態が続くと、
その部分に炎症が起こって痛みがでたり
腫れたりして腱鞘炎になってしまいます。

〇なぜ出産後のママに多いのか

出産して育児が始まったママに起こりやすい腱鞘炎。
とくに初産のママによくみられることが多いです。
それはなぜでしょう。

「子どもを抱っこしていると、手首に違和感が出てくる。」
「子どもを抱き上げた瞬間、手首に激痛が走った。」
など。

子育て中のママに多いトラブルの一つに、腱鞘炎があります。
病院に行ったら安静にと言われますが、
育児を休めることもなくなかなか良くならず、
「痛いなぁ…」と放置していると、
悪化してしまうことも多々あります。

なかには、赤ちゃんを抱っこできない程の痛みを
感じてしまい、抱っこが苦痛に感じたり、
育児だけに限らず、家事までも億劫になってしまいます。
今回は、産後の腱鞘炎になってしまう原因と、
その対処法についてお話していきます。

〇腱鞘炎になってしまう原因

産後は慣れない動作が多く、育児につい力が入ってしまいます。
抱っこだけでなく、授乳やミルクをあげたり、
おむつの交換、赤ちゃんをお風呂に入れる沐浴なども
手首に負担がかかり手首を傷める原因になります。

小さな赤ちゃんでも、片手で支えるには
赤ちゃんの頭は重く、なかなか寝ない赤ちゃんを
寝かしつけるのは、頭を支えながらの抱っこで
手首にも負担がかかり、腕も疲れます。

その時はそんなに感じなくても、
意外と思っている以上に、手首は酷使されています。

それが毎日となるともちろんのことです。

女性ホルモンに「プロゲステロン」というものがあります。
このホルモンは妊娠・出産を助けるホルモンです。
妊娠や出産で、伸びた子宮や開いた骨盤を
もとに戻そうと収縮を促すなどの作用があります。

実はその収縮作用は子宮や骨盤だけでなく、
腱鞘炎の原因である腱鞘も狭くしてしまう
と言われているので、腱鞘が狭くなり腱が擦れる原因となり
炎症を起こしやすくなっています。

腱鞘と同様、プロゲステロンは
骨盤以外でも全身の関節にも影響します。

そのことにより、全身の関節が「ゆるい状態」
不安定になってしまうのです。

筋肉や腱などに過剰の負荷をかけてしまうのも
原因の一つとして考えられます。

〇対処法

【抱っこの仕方を工夫する】

首の座っていない赤ちゃんを抱っこする時、
手をめいっぱい広げ手のひらで支えてあげようとします。

そうすると、赤ちゃんの頭でも重みはありますし、
首が座らないうちは特に慎重になって、
指や手首に無駄に力が入りがちです。

そこで赤ちゃんを抱っこするとき、
腕全体で頭を支えるようにすると、
指や手首にかかる負担を軽減できます。
腕を赤ちゃんの身体の下にもぐらせて持ち上げるのがコツです。

抱っこの仕方を工夫するだけでも
腱鞘炎になることを防げるでしょう。

長時間抱っこするときは、無理せず、
抱っこひもを利用するのが望ましいです。

指や手首に負担がかからないだけでなく、
両手も自由になるので、片手で抱っこし
負担をかけながらの家事を防ぐことができます。

最近は赤ちゃんの体重を分散できるタイプの抱っこひも
などもでており、腕や腰など特定の部位が
痛くなるのを防いでくれます。

どうしても手首が痛む時は、リストバンドなど、
サポーターを使用して固定すると、
無駄な動きを防いで負担を軽減できます。

もちろん指や手首を休める時間を設けるのも大事です。

そのほかストレッチも大事です。
赤ちゃんの世話や家事が終わった後や
一日の最後に、指や手首のストレッチをします。

スポーツの後、ストレッチをして
筋肉をクールダウンするのと同じです。

育児もかなりの手の負担を受けています。
入浴中や入浴後に行えば、筋肉が柔らかくなって、
ストレッチしやすくなります。

抱っこや家事でよく起きるのが、
猫背の一つでもある「巻き肩」です。

肩甲骨からわきにかけての筋肉が硬くなったり、
首や背中の筋肉が疲労することで、
肩の動きが悪くなり、肩が前にまくことで
腕の負担も増えて腱鞘炎になりやすくなってしまいます。

筋肉を柔らかくするとともに、
姿勢を改善していくことも腱鞘炎予防には大切なのです。

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